ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第4戦「SUGOスーパー耐久 4 Hours Race」|777号車D’station Vantage GT3が鉄壁の走りで今季初勝利を飾る。
2025 Empowered by BRIDGESTONEはシーズン折り返しを迎え、7月5〜6日、宮城県・スポーツランドSUGOで第4戦「SUGOスーパー耐久 4 Hours Race」が開催された。
スーパー耐久シリーズは、年に一度の祭典・富士24時間レースを終え、折り返しとなる第4戦SUGOを迎えた。今回は開幕戦もてぎ同様に2グループに分類され、土曜と日曜にそれぞれ予選とレースを行う2レース制が採用された。事前の練習走行時には、雷雨を伴う大雨に見舞われることもあったスポーツランドSUGOだが、グループ2の予選・決勝が行われた土曜日も朝から雨に見舞われた。ところが翌日、7月6日(日)には天候が回復し、夏の日差しの下、ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q、ST-1によるグループ1の予選と決勝が行われた。
当初のエントリーは22台であったが、33号車Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3がチームの都合によりエントリーを取り消し、5クラス計21台で争われた。
この日は前日とは打って変わって終始好天に恵まれ、路面温度は50度を超え、気温とともに上昇した。総合トップを争うST-Xクラスには3台がエントリー。朝に行われた予選では、777号車D’station Vantage GT3がクラスおよび総合でポールポジションを獲得した。
午後の決勝レースでは、スタートから先頭を守り、序盤には4秒近くのリードを築くことに成功。さらにFCY(フルコースイエロー)導入にも素早く対応し、ピット作業をこなしていった。
後方では、23号車と31号車による接近戦が数周にわたって展開されたが、富士24時間レースの王者・23号車TKRI松永建設AMG GT3がピットタイミングの妙もあり、終盤にトップへ浮上。ただ、その背後にはミスのない走りを続ける777号車D’station Vantage GT3が迫り、テール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられた。その攻防は残り10分余りで決着し、777号車D’station Vantage GT3がトップでチェッカー。ポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾った。
ST-Zでは、前戦・富士24時間レースで大クラッシュを喫しながらも復活を果たした26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4が、予選で見事ポールポジションを獲得。レース序盤もトップを維持したが、ポイントリーダーである52号車埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2が、1回目のFCYに素早く反応してリスタート時に首位を奪取。
中盤以降は燃費走行にも気を配りつつ、後方を引き離して独走状態を築き上げた。ミスなくトップを守り切り、最終的には24.080秒差でチェッカーを受け、今季3勝目をマーク。圧倒的なチームワークと堅実な強さを印象づけるとともに、ポイントリーダーの座も守った。
2位には26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4、3位には21号車Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4が続く結果となった。
2リッター以下のターボエンジンを搭載したFF(前輪駆動)の4〜5ドア車両を採用するST-TCRクラスは、5台によって争われた。クラスポールを獲得した97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICがレース序盤もトップをキープしたが、すぐ背後につけていた98号車WAIMARAMA Elantra N TCRが、終盤まで続いた接戦を制し、見事クラス優勝を果たした。
今回は2レースともに大きなアクシデントや赤旗中断もなく、白熱したガチンコ勝負が繰り広げられた。次戦・第5戦オートポリスは7月26〜27日、大分県・オートポリスにて開催予定。その後は約2カ月のインターバルを挟むが、終盤戦のチャンピオン争いにも注目していきたいところだ。
写真=南 博幸 文=三家香奈子