2025 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT SPRINT RACE|シリーズ史上初の3レース開催で超スプリント対決。GT300はD’station Vantageが圧巻の2レース制覇。
6月27〜28日、静岡県・富士スピードウェイにて「2025 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT SPRINT RACE」が開催された。
前戦は6年ぶりに海外ラウンドが復活し、12年ぶりにマレーシア大会が行われたスーパーGT。舞台は再び日本国内の富士スピードウェイに戻った。今大会はスーパーGT史上初となる、2日間で3つの決勝レースが実施される見どころ満載のラウンドとなった。2日(土)には各クラスの予選とGT500・GT300混走による35周のレース1、3日(日)には各クラスの予選およびGT300・GT500それぞれの50分レースが行われ、計3レースが組み込まれた。
また、サポートレースのFIA-F4も開催され、チームやドライバー、観客にとって過密なスケジュールとなった。怒涛のスプリント3レースで大いに盛り上がっただけでなく、家族で楽しめる手持ち花火大会やライブ、グルメやショッピングといったコンテンツも多数登場。夏休み期間ということもあり、2日間で延べ52,300人が来場し、大きな賑わいを見せた。
初日2日(土)のGT300クラス予選は、午後に行われる35周スプリントを担当するドライバーが出走。各チームひとりのドライバーが20分間でタイムを残す計時予選方式で争われた。終盤にかけてタイム更新が激しさを増すなか、2号車HYPER WATER INGING GR86 GTが連続アタックで最速を記録し、見事ポールポジションを獲得。2番手は0.220秒差で61号車SUBARU BRZ R&D SPORT、3番手は7号車CARGUY Ferrari 296 GT3が続いた。
午後のレース1は、ドライバー交代・給油・タイヤ交換なし、サクセスウエイト0kgというシリーズ初のフォーマットで行われた。強い日差しの下、15時15分にスタート。ポールスタートの2号車HYPER WATER INGING GR86 GTが先頭を守り、レースが開始された。2番手には61号車SUBARU BRZ R&D SPORT、3番手には777号車D’station Vantage、4番手には4号車グッドスマイル 初音ミク AMGがポジションを上げた。
オープニングラップから順位変動が激しく、1周目にGT500クラスの1台がコカ・コーラコーナーでマシンを止めたため、セーフティカー(SC)が導入された。改修作業を経て5周目にリスタートが切られると、上位の順位は変わらず、2号車HYPER WATER GR86がリードを保った。
しかし、2番手の61号車SUBARU BRZはペースが伸びず、9周目には777号車D’station Vantageが2番手に浮上。さらに6号車UNI-ROBO FERRARIと4号車グッドスマイル 初音ミク AMGも順位を上げた。折り返し頃には上空の雲が小雨を降らせ始め、路面状況が変化。2号車HYPER WATER GR86は後続に迫られ、20周目に777号車D’station Vantageに先行を許す。さらに4号車グッドスマイル 初音ミク AMGがオーバーテイクで2番手に浮上し、2号車は3番手まで後退した。
終盤は777号車と4号車によるトップ争いが白熱し、さらに後方から2台も加わって計4台による激戦となったが、777号車D’station Vantageがトップを守り切り優勝。2位は4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、3位は65号車LEON PYRAMID AMGが表彰台を獲得した。
翌3日(日)のGT300予選では、2号車HYPER WATER GR86が再び速さを見せたが、終盤にレース1勝者の777号車D’station Vantageが連続アタックでポールを奪取。4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが0.387秒差で2番手、2号車は3番手にとどまった。
50分間で行われたレース2はGT300単独で実施。14時15分にフォーメーションラップを経てスタートすると、777号車が好スタートで首位を死守。3番手から好発進の2号車HYPER WATER INGING GR86 GTが2番手に浮上し、後方との差を広げた。
3番手に下がった4号車は30分間ほどポジションを守ったが、65号車LEON PYRAMID AMGに迫られ、テール・トゥ・ノーズの攻防の末に逆転を許した。すでに先頭2台との差は約5秒。最終的に777号車が一度も首位を譲らず2連勝。2位は2号車HYPER WATER GR86、3位は65号車LEON PYRAMID AMGが続き、こちらも連続表彰台を獲得した。
一方GT500は、2日(土)の予選で19号車WedsSport ADVAN GR Supraがポールを獲得。レース1ではGR Supra勢の三つ巴となり、圧倒的な速さを見せた1号車au TOM’S GR Supraがトップを奪い優勝。2位は38号車KeePer CERUMO GR Supra、3位は37号車Deloitte TOM’S GR Supraと、トップ5をGR Supraが独占した。
翌3日(日)の予選では、前日のクラッシュから復帰した6号車ENEOS X PRIME GR Supraが最終アタックを決めてポールを獲得。2番手は1号車au TOM’S GR Supra、3番手は38号車KeePer CERUMO GR Supraと、この日もトップ5をGR Supraが占め、トヨタのホームコースで存在感を示した。
レース2もGR Supra勢の激戦となり、6号車ENEOS X PRIME GR Supraが後方を抑えて0.728秒差でポール・トゥ・ウイン。2位は1号車au TOM’S GR Supra、3位は38号車KeePer CERUMO GR Supraとなり、トップ4をGR Supraが占めた。トヨタ勢が大会を席巻する結果となった。
次戦第5戦は3週間のインターバルを挟み、8月23〜24日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される。シーズンは折り返しを迎え、残り4戦、いよいよ中盤戦に突入する。
写真=南 博幸 文=三家香奈子