2025 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL|38号車が安定した強さを見せ、ポール・トゥ・ウィン。
5月3〜4日、静岡県・富士スピードウェイにて「2025 AUTOBACS SUPER GT 第2戦 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL」が開催された。GT500クラスは38号車 KeePer CERUMO GR Supraが、GT300クラスでは6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが勝利を収めた。
毎年ゴールデンウイーク恒例の富士ラウンドは、観戦以外の楽しみも充実しており、ファミリー層にも根強い人気を誇る。今年は前戦・岡山と異なり、3時間という長丁場での戦いとなった。好天にも恵まれた二日間には、のべ8万2500人の観客がサーキットを訪れ、大盛況のうちに幕を開けた。
第2戦の富士は、搬入日となった5月2日(金)こそ雨模様に見舞われたが、翌3日(土)の予選日は快晴。富士山も顔をのぞかせる絶好のコンディションとなった。午前9時からの公式練習、午後2時30分からの予選セッションでは、昨季から苦戦が続いていた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが、公式練習とQ1の両方でトップタイムを記録。復調の兆しを見せつけた。
続くQ2では一時トップを走ったものの、最後の最後に逆転を果たしたのは777号車 D’station Vantage GT3。0.062秒差という僅差でポールポジションを奪取した。2番手に61号車 SUBARU BRZ、3番手に7号車 CARGUY Ferrari 296 GT3がつけ、決勝に臨む。
決勝日も快晴に恵まれ、14時11分にパレードランとフォーメーションラップを経てレースがスタート。オープニングラップでは上位陣がポジションを守るなか、2周目に中団グループで接触が発生。さらに0号車 VENTENY Lamborghini GT3と52号車 Green Brave GR Supra GTが相次いでマシントラブルに見舞われ、序盤から波乱の展開となった。
混戦の中、13番手スタートの56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rや、27番手からのスタートだった6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが一気にトップ10圏内へと浮上。やがてFCY(フルコースイエロー)が導入されると、各車早めのピット作業を開始した。
これを受けて上位陣も次々とピットインを敢行。第2スティントでは、いち早くピットに反応した6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIがレースをリードする展開に。2番手には、開幕戦を制した65号車 LEON PYRAMID AMG、さらに777号車 D’station Vantage GTが続く。中盤には一度トップを奪い返した777号車だったが、左リヤタイヤのパンクチャーにより緊急ピットインを強いられ、大きくポジションを落とす結果となった。
混乱のなか、トップへと浮上したのは61号車 SUBARU BRZ。ペースも安定しており、徐々にリードを拡大。無交換作戦をとってピットに入り、アンダーカットを決めた6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの後方で復帰し、レースは終盤戦へ突入する。
同時期にトップへ戻った777号車 D’station Vantage GT3だったが、早めの2回目のピットインが仇となり、燃料が持たず再びピットへ。首位を明け渡し、61号車 SUBARU BRZと6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIの一騎打ちに。
残り5分を切ったあたりでBRZのペースが鈍りはじめ、UNI-ROBO FERRARIが猛追。手に汗握る攻防のままファイナルラップへ突入したが、なんと、ダンロップコーナー手前で61号車が白煙を上げてスローダウン。無念のマシントラブルにより、目前のチェッカーを前に力尽きた。
これにより、猛追を続けていた6号車 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが逆転でトップチェッカー。劇的なかたちでSUPER GT初優勝を手にした。
2位は777号車 D’station Vantage GT3、3位は一旦7号車 CARGUY Ferrari 296 GT3が入ったが、ピット作業違反による10秒加算ペナルティで4位へ降格。繰り上がって3位表彰台に立ったのは、2号車 HYPER WATER INGING GR86 GTだった。なお、終盤まで首位を走っていた61号車 SUBARU BRZは、8位完走扱いとなっている。
一方GT500クラスでは、ポールポジションからスタートした38号車 KeePer CERUMO GR Supraが危なげない走りでレースをコントロール。終始トップを譲らず、盤石のポール・トゥ・ウィンを達成した。
その後方では白熱のバトルが繰り広げられ、7番手スタートの1号車 au TOM’S GR Supraと、13番手から追い上げた100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが躍進。1号車は2戦連続の表彰台、100号車も3位に食い込む大健闘を見せた。
次戦・第3戦は、SUPER GTとしては6年ぶりの海外ラウンド。6月27〜28日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでの開催が予定されており、夕暮れの空の下、灼熱の戦いが繰り広げられることになる。
写真=南 博幸/鈴木華子 文=三家香奈子