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2025 AUTOBACS SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 300km RACE|5号車MC86 マッハ号が7年ぶりの美酒。最終ラップまでもつれたタイトル争いは65号車LEON PYRAMID AMGに軍配が上がり、7年ぶりの王座奪還へ。

11月1日(土)〜2日(日)、栃木県・モビリティリゾートもてぎにて「2025 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」が開催された。

前戦オートポリスから2週間後、いよいよスーパーGTシリーズは最終戦を迎えた。舞台はモビリティリゾートもてぎに移され、全車ノーウエイトのガチンコバトルが繰り広げられた。ウイークを通して比較的好天に恵まれたもてぎには、今シーズンラストレースを一目見ようと5万人のモータースポーツファンが集まり、最終戦にふさわしい賑わいを見せていた。

予選日の1日(土)は前日の降雨により、朝の公式練習こそややウエットパッチが残るミックスコンディションだったが、午後には完全に乾き、予選はドライコンディションでスタート。定刻14時から始まり、Q1 A組は61号車SUBARU BRZ R&D SPORT、B組は11号車GAINER TANAX Zがそれぞれトップで通過した。11号車は前戦オートポリスで予選中にクラッシュしリタイアとなっていたが、今大会に向けて修復を間に合わせ、復活の速さを披露した。

続く予選Q2では、Q1をトップ通過した61号車SUBARU BRZ R&D SPORTがベストタイムを更新して首位へと浮上。圧倒的なタイムでポールポジションを獲得した。スバルEJ20エンジン最後のレースで存在感を示し、チャンピオン争いでも一歩前進した。2番手には終盤にタイムを上げた5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号、3番手には52号車Green Brave GR Supra GT、4番手には56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、5番手には18号車UPGARAGE AMG GT3が続いた。ポイントリーダーの65号車LEON PYRAMID AMGは14番手と後方からのスタートを強いられた。

そして迎えた今季最後のレース開催日。やや曇り空ではあったがドライコンディションで決勝レースの幕が開いた。スタートではポールポジションの61号車SUBARU BRZが隊列を引き連れて1コーナーへ進入。先頭は早々にリードを広げたが、2番手争いは数台がひとつのグループとなり拮抗した。7周目には52号車Green Brave GR Supra GTが5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号を捉えて先行。直後に導入されたFCY明けのリスタートで5号車が抜き返して2番手を奪還し、激しい攻防戦が続いた。

混戦の中、周回が進むにつれて17周目からルーティンピットを行うチームが現れ始め、一段落する頃には52号車Green Brave GR Supra GTが暫定トップに立った。しかし、早めのピット作業で挽回を図った5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号が華麗なオーバーテイクで首位を奪った。61号車SUBARU BRZ R&D SPORTもサイド・バイ・サイドのバトルを制して先行し、首位奪還を目指した。

暫定3番手の52号車Green Brave GR Supra GTの後方には666号車seven × seven PORSCHE GT3Rと、ポイントランキング2位の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが続いた。この2台は好ペースを活かして61号車SUBARU BRZ R&D SPORTとの差を詰めた。この時点でポイントリーダーの65号車LEON PYRAMID AMGは6番手を走行していたが、56号車はあと2台をパスできれば逆転チャンピオンの可能性を残していた。

最終盤、首位の5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は快走を続ける一方、後方では熾烈なタイトル争いが展開。残り5周で攻防戦を制した666号車seven × seven PORSCHE GT3Rが3番手に浮上し、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rも先行して52号車Green Brave GR Supra GTは表彰台圏外に後退した。逆転での王座奪還が目前となった56号車はさらに前を捉えようとするが、簡単には抜けず最終ラップまで手に汗握る展開となった。

その頃、首位を走る5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号は9.217秒のリードを築きトップチェッカーを受けた。MC86としては2018年開幕戦のUPGARAGE 86 MC以来、7年ぶりの勝利となった。61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは終盤こそペースが伸び悩んだが2位を守り切り、スバルEJ20エンジンのラストレースを有終の美で締めくくった。

最終ラップまでもつれた3番手およびチャンピオン争いは、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが666号車seven × sevenの真後ろに迫ったものの抜き切れず4位でフィニッシュ。逆転王者獲得はあと一歩届かず、6位でフィニッシュした65号車LEON PYRAMID AMGが2018年以来7年ぶりのチャンピオンに輝いた。

GT500では予選で38号車KeePer CERUMO GR Supraがポールポジションを獲得したが、ポイントリーダーの1号車au TOM’S GR Supraが僅差のフロントロウにつけた。好調な1号車は決勝でも早々にトップを奪取。タイトル争いを展開する100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTがタイヤ無交換作戦を遂行し、一時トップが入れ替わる場面もあったが、1号車は危なげなく順位を取り戻し、スーパーGT史上初の3連覇を成し遂げた。

3年連続4回目のチャンピオンとなった坪井翔は「3年連続チャンピオン獲得は嬉しいです。やはり勝って終わりたいという想いがありました。史上初の3連覇というチームとして大きな快挙を成し遂げられて、その一員としていられて良かったと思います」とレース後に語った。

両クラスとも最終戦までタイトル争いが続き、最終ラップにまで及ぶ白熱したバトルが繰り広げられた。多くの観客を動員し人気を誇る国内トップカテゴリーの2025年シーズンのスーパーGTシリーズは、無事に幕を閉じた。2026年シーズンは4月11〜12日に岡山国際サーキットで開幕する予定だ。来季のラインアップ、そしてどのようなバトルが繰り広げられるのか、今から期待が高まる。

写真=南 博幸/鈴木華子 文=三家香奈子

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