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2025 AUTOBACS SUPER GT 第7戦 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE|seven × seven PORSCHE GT3が終盤の大逆転で初優勝。

10月18日(土)〜19日(日)、大分県・オートポリスにて「2025 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」が開催された。

第6戦SUGO大会から約1カ月。年に一度の九州大会となる第7戦オートポリス大会は、今季2度目の3時間レースであり、さらにサクセスウエイトが半減されるレースだった。そのためポイントランキング上位勢にとっては絶好のチャンスとなる一戦だが、舞台となるオートポリスは山中に位置するため天候が不安定であり、週末の雨予報によるスケジュール変更なども懸念されていた。

予選日の18日(土)は朝からサーキット全体を濃い霧が覆っていた。そのため朝の公式練習は、わずかな時間ながらドライコンディションで走行できたものの、各クラスの専有走行の時間帯には雨に見舞われた。午後の予選に向けても時折日差しが差し込む場面があったが、開始直前には小雨が降り出し、Q2の時間帯には雨脚が強まるなど、不安定な天候のもとでセッションが進んだ。

Q1A組では7号車CARGUY FERRARI 296 GT3、B組では0号車VENTENY Lamborghini GT3がそれぞれ速さを示した。ウエットコンディションに変化した予選Q2でもこの2台が躍動し、アタック合戦は一層の混戦に。最終盤には7号車CARGUY FERRARI 296 GT3が全体ベストを更新し、2戦連続のポールポジションを獲得。2番手に0号車VENTENY Lamborghini GT3、3番手にHYPER WATER INGING GR86 GTが続いた。

決勝日は雨予報に反して曇り空が広がったものの、雨は降らずにレース開始を迎えた。序盤は上位勢に大きな変動はなく、各車が順調にスタートを切る。しかし20分ほど経過したところでFCY(フルコースイエロー)およびSC(セーフティカー)が導入され、荒れた展開に。それを機に早めのピット作業を行い、アンダーカットを狙うチームの姿も見られた。

SCが明けると、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが15番手スタートからアグレッシブな動きを見せ、9番手まで浮上。4番手争いでは6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが65号車LEON PYRAMID AMGをオーバーテイクするシーンもあった。

上位勢もややタイミングを遅らせてピットへ入ると、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3は4輪交換、対する0号車VENTENY Lamborghini GT3は2輪交換で時間を短縮し、逆転に成功。この時点で3番手には87号車METALIVE S Lamborghini GT3、4番手にはアンダーカットを成功させた26号車ANEST IWATA RC F GT3が続いた。

フィニッシュまで残り1時間15分というところで、GT300の1台がピットロード出口で車両を止める。FCYやSCの導入を見越して、上位を含む複数のマシンがピットへ向かった。翌周には0号車VENTENY Lamborghini GT3が2度目のピット作業を行い、その直後にFCYが導入。タイミングが絶妙で、ポジションをキープした。

しかし、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3に転機が訪れる。各車が2度目のピットインを終えた段階で、0号車Lamborghini Huracán GT3 EVO2に「FCY手順違反」によるドライブスルーペナルティが科され、トップから約16秒の遅れを取ることに。7号車CARGUY FERRARI 296 GT3が再びトップの座を奪い返した。

その後方では、アンダーカットに成功した666号車seven × seven PORSCHE GT3Rが87号車METALIVE S Lamborghini GT3を捉え3番手に浮上。さらに87号車はペースが上がらず、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIにもオーバーテイクを許した。

レース終盤、首位を走る7号車CARGUY FERRARI 296 GT3と0号車VENTENY Lamborghini GT3に「黄旗区間追越し違反」によるドライブスルーペナルティが科される。7号車はアドバンテージを保ちながら首位を維持したが、チェッカーまで10分を切ったところで燃料不足に陥り、スプラッシュ&ゴーのためピットへ。

これにより逆転のチャンスが訪れた2番手の666号車seven × seven PORSCHE GT3Rが猛プッシュし、ついに先頭に躍り出る。そのまま3時間経過までトップを守り切り、初優勝を飾った。2位はCARGUY FERRARI 296 GT3、3位はVENTENY Lamborghini GT3が続いた。

4位には中盤で一時10番手まで後退した6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが追い上げを見せ、5位にはランキング2位の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが入った。ポイントリーダーの65号車LEON PYRAMID AMGとの差はわずか1.5ポイントに縮まり、チャンピオン争いは混戦模様となっている。

一方GT500クラスでは、予選でニッサン陣営とトヨタ陣営が好調を見せ、3号車Niterra MOTUL Zがポールポジションを獲得。GT300同様にアンダーカットに成功したチームも多く、その中で見事な戦略を決めたのは、予選で苦戦していたホンダ陣営だった。

HRCがメンテナンスを担うエース車両、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが見事なピット戦略で首位を奪還し、シビックとして初勝利、さらにホンダ陣営としても今季初勝利を挙げた。ポイントリーダーの1号車au TOM’S GR Supraがトラブルによりリタイアとなったため、100号車はポイント差を詰め、チャンピオン争いは一層激化している。

2位には終盤のオーバーテイクで魅せた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが続き、前戦SUGOでの大クラッシュから見事に復活。3位には今季2度のポールポジションを獲得しながら結果に恵まれなかった16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが入り、今季初の表彰台を手にした。最終的に表彰台をホンダ陣営が独占する結果となった。

今回はSCやFCYの導入によりレース展開が大きく左右される波乱の一戦となった。SUPER GTシリーズは計7戦を終え、残すは1戦のみ。最終戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』は11月1日(土)〜2日(日)に、栃木県・モビリティリゾートもてぎで開催される予定だ。両クラスとも僅差の争いとなっており、白熱したチャンピオン決定戦が期待される。

写真=南 博幸/鈴木華子 文=三家香奈子

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