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2025 AUTOBACS SUPER GT Round3 MALAYSIA FESTIVAL|6年ぶりの海外戦復活! 37号車Deloitte TOM’Sが制し、トヨタ陣営が開幕3連勝。18号車UPGARAGEは初のポール・トゥ・ウインを達成。

6月27〜28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットにて「2025 AUTOBACS SUPER GT 第3戦 MALAYSIA FESTIVAL 2025」が開催された。GT500クラスは37号車Deloitte TOM’S GR Supraが、GT300クラスでは18号車UPGARAGE AMG GT3が勝利を収めた。

日本国内で人気を誇るスーパーGTは、6年ぶりに海外戦が復活。マレーシアでは12年ぶりの開催となった。日本での開催時とは異なり、26日(木)に公式練習、27日(金)に予選、28日(土)に決勝レースというスケジュールが組まれた。また、エントリー数にも変動があり、GT500クラスは15台、GT300クラスは現地特別参加のEBM GIGA RACINGの2台を加えた19台、合計34台が出場した。

久しぶりのマレーシア大会には現地ファンだけでなく、日本からも多数のファンが足を運び、2日間で合計7万5977人が来場した。現地のグランドスタンド裏では『日本祭り』と題し、スーパーGTに参戦するメーカーのブースや日本食の屋台、日本にゆかりのあるアーティストによるライブなどが催され、お祭りムードで賑わいを見せた。

大盛況となったマレーシア大会の予選日は27日(金)。定刻16時30分に予選がスタート。GT300クラスでは、公式練習から速さを見せていた現地特別参戦の611号車EBM GIGA 911 GT3がQ1のA組トップ通過。B組では18号車UPGARAGE AMG GT3が首位通過を果たし、続くQ2でも渾身のアタックを披露。2021年第7戦もてぎ以来、約4年ぶりのポールポジションを獲得した。

トップ3には52号車Green Brave GR Supra GT、0号車VENTENY Lamborghini GT3が続いた。予選Q1で好調だった611号車EBM GIGA 911 GT3はトラブルによりタイムを残せず11番手、同チームの333号車EBM Vantage GT3は17番手となった。

決勝レースは当初ナイトレースも検討されていたが、今回は見送りに。現地時間16時30分(日本時間17時30分)に、55周・300kmのレースが幕を開けた。朝にはスコール(にわか雨)が降ったものの、天候は次第に回復し、曇り空の下でドライコンディションのレースが始まった。GT300クラスは大きな混乱もなくクリーンなスタートを切り、52号車Green Brave GR Supra GTが最終コーナーでオーバーテイクを決めてオープニングラップを制した。

首位に立った52号車はリードを築き後方を引き離しにかかる。一方、ポールスタートの18号車UPGARAGE AMG GT3は、3番手の0号車VENTENY Lamborghini GT3に迫られる展開となった。その後、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが先陣を切ってピットイン。上位勢では52号車が先に動きを見せたが、ピット作業で左タイヤ交換に手間取り、大きなタイムロスを喫した。

翌周、18号車UPGARAGE AMG GT3はミスなくピットを終え、遅れた52号車からトップを奪還。その後、10秒以上のリードを築いて安定した走りを続けた。2番手の52号車の後方には0号車、4番手にはいち早くピットを済ませてアンダーカットに成功した4号車がつけた。

惜しくも2番手に後退した52号車だったが、終盤にかけて差を詰めていき、ファイナルラップには一時15秒あった差を1秒以内まで縮めて射程圏に。しかし逆転には至らず、18号車UPGARAGE AMG GT3が逃げ切ってトップでチェッカー。チームにとって初のポール・トゥ・ウインとなった。

2位は、序盤で最高の蹴り出しを見せながらピット作業のミスで後退した52号車が、その後の猛追でウイナーに0.933秒差まで迫ってフィニッシュ。3位は中盤以降、0号車との接近戦を繰り広げた4号車が、ラスト5周での逆転に成功して獲得。早めのピットでアンダーカットに成功し、ドライバーの中山友貴と、代役としてGT300デビュー戦に臨んだ奥本隼士が表彰台に登壇した。

4位でチェッカーを受けた87号車METALIVE S Lamborghini GT3は、トラックリミット違反を複数回繰り返したため40秒加算のペナルティを受け9位に降格。代わって0号車が4位となった。現地特別参戦の611号車は17位、333号車は19位でレースを終えた。

GT500クラスは、予選中に赤旗中断があったものの、19号車WedsSport ADVAN GR Supraが約3年ぶりのポールポジションを獲得。決勝でも好スタートを見せたが、序盤から好ペースと巧みなピット作業で攻勢をかけた37号車Deloitte TOM’S GR Supraが早々に首位を奪い、そのまま快走を続けて優勝。トヨタ陣営にとって今季3勝目、開幕3連勝となった。

2位には、一時トップに立ちながらもピットインで逆転を許した8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが入り、終盤の攻防を守り切った。3位には終盤に怒涛の追い上げを見せた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが入ったが、10秒のタイム加算ペナルティにより12号車TRS IMPUL with SDG Zが繰り上がって3位となった。今回は3メーカーが表彰台を分け合う結果となった。

6年ぶりに開催された海外戦は大盛況のうちに終了。すでに2026年の開催も予定されており、GT500クラスのワイルドカード参戦が実現するとされる。今季は実現しなかったナイトレースやトワイライトレースの開催も今後に期待したい。

次戦・第4戦富士は約1カ月のインターバルを挟み、8月2日〜3日に静岡県・富士スピードウェイで開催される。2日(土)は公式予選と35周の決勝レース、3日(日)はGT500クラスとGT300クラスそれぞれの50分間決勝が実施される予定。スーパーGTでスプリント形式のレースフォーマットは初の試みであり、どのようなバトルが展開されるのか注目される。

写真=南 博幸 文=三家香奈子

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